雨の日に膝や腰が痛むのはなぜ?梅雨の関節痛と整形外科で相談したい症状
【整形外科医監修】雨の日に膝や腰が痛むのはなぜ?梅雨の関節痛と整形外科で相談したい症状
メイトウホスピタル 院長
整形外科専門医
本田圭祐
はじめに
雨が続く季節になると、外来で「膝が痛い」「腰が重い」「以前ケガをしたところがうずく」というご相談をうかがうことがあります。
天候の変化に伴って痛みを感じる方もいらっしゃいますが、その原因や背景となる疾患は人によって異なります。この記事では、梅雨の時期に関節の不調を訴えてご相談に来られる方が経験されることのあるご様子と、ご自宅でできる工夫、医療機関にご相談いただく目安について、整形外科の視点でわかりやすくご紹介します。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。痛みの原因は個人によって大きく異なるため、症状が続く場合や強い痛みがある場合は、医療機関で診察を受けてください。
天候と関節の痛みについて
一部の研究では、気圧・気温・湿度などの気象要因と、痛みの自覚症状との関連が検討されています。ただし、因果関係や影響の程度については個人差があり、天候だけで関節の痛みを説明できるわけではありません。
一般的に指摘されている要因として、以下のような点が挙げられます。
- 気圧の変化:気圧の変動が痛みの感じ方に影響する可能性が指摘されています
- 気温・湿度の変化:冷えにより、筋肉のこわばりを感じる方もいます
- 活動量の低下:雨が続いて外出が減ると、関節周りの筋肉を動かす機会が減ることがあります
- 自律神経への影響:気候の変化が体調全般に影響する場合があります
天候だけでなく、加齢による変化、生活習慣、過去のケガや手術歴なども複合的に関わっている可能性があります。
痛みのご相談がみられることがある部位
外来でご相談を受けることがある部位として、以下のようなところがあります。
- 膝:階段の上り下り、立ち上がりの最初の一歩
- 腰:朝起きたときの重だるさ、長く座ったあとの動き始め
- 肩:腕を上げにくい、寝返りで目が覚める
- 手指:朝のこわばり、物を握りにくい
- 過去のケガの部位:骨折・捻挫・手術跡
これらの痛みは、変形性関節症や慢性腰痛、肩関節周囲炎などの疾患と関連している場合もあります。気象や年齢だけで説明できるとは限らず、症状が続く場合は原因の確認が大切です。
ご自宅でできる工夫
医療機関にご相談いただく前に、ご自身でお試しいただける一般的な工夫をいくつかご紹介します。ただし、痛みの状態によっては適さない場合があります。
◆ 身体を冷やさない
エアコンや扇風機の風が直接関節にあたると、不快感が強くなる場合があります。膝・肩・腰には薄手のひざ掛けやサポーターをご活用ください。
◆ 入浴の工夫
ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、筋肉のこわばりが和らぎやすくなる方もいらっしゃいます。
◆ 入浴前に確認したいこと
- 関節に腫れや熱感、発熱がある場合、外傷の直後は、温めると悪化することがあります。冷却・安静が適する場合もあるため、自己判断せず医療機関にご相談ください
- 心疾患・高血圧・糖尿病・めまいなどの持病がある方は、無理のない範囲で
- 入浴中に不調を感じる場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください
◆ 軽い運動
晴れの日のウォーキングが難しい時期に、室内でできる軽い運動を取り入れる方もいらっしゃいます。
- 椅子に座って膝をゆっくり伸ばす
- 仰向けで足を交互にゆっくり持ち上げる
- 肩を大きく回す体操
◆ 運動を中止していただきたいケース
- 痛みが増す、しびれがある、腫れや熱感がある場合は中止
- 痛みが強い日は無理に運動しない
- 転倒にご注意ください
- 持病のある方、過去にケガをされた方は、運動の可否を医療機関にご相談ください
◆ 規則正しい食事と睡眠
睡眠時間を確保し、温かい食事を心がけることで、体調を整えやすくなる場合があります。
◆ 痛みの記録
「いつ・どこが・どのくらい」痛むかをメモしておくと、ご相談の際に役立ちます。
早めの受診をお勧めしたい症状
セルフケアで様子を見ない方がよい症状もあります。以下に該当する場合は、2週間待たず早めの受診をご検討ください。
- 強い痛みや、夜間に目が覚めるほどの痛み
- 関節が腫れている、熱を持っている
- しびれや、力が入らない感覚がある
- 発熱を伴う
- 過去の骨折・手術部位の痛みが急に強くなった
- 外傷(転倒・打撲など)の直後
上記に該当しない場合でも、セルフケアを2週間続けても改善しない、または症状が悪化していると感じるときは、原因の確認のために医療機関にご相談ください。
症状に応じた対応を検討しやすくなる場合があります。
当院の診療体制について
当院では、整形外科の外来診療を行っています。慢性的な痛みのご相談についても、診察のうえ必要に応じて検査・治療方針をご提案いたします。
◆ 回復期リハビリテーション病棟について
当院には回復期リハビリテーション病棟もありますが、入院リハビリは保険診療上、対象となる疾患や状態に要件があります。診察・検査結果等にもとづき、適応の有無を判断いたします。外来でのご相談から、すぐに入院リハビリにつながるわけではない点をご理解いただけますと幸いです。
受診の要否に迷う場合は、外来にてご相談ください。
まとめ
- 梅雨の時期に関節の不調を感じる方もいらっしゃいますが、原因は人によって異なります
- ご自宅での工夫は、痛みの状態によって適否が分かれます。腫れ・熱感・発熱・外傷直後は自己判断せずに医療機関へ
- 強い痛み・腫れ・しびれ・発熱があるときは、2週間待たず早めの受診を
- セルフケアを2週間続けても改善しない場合は、原因の確認をご検討ください
雨が続く時期だからこそ、ご自身の体調と向き合う時間を大切にしてください。
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