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【医師監修】状疱疹ワクチンはうつべき? ―認知症予防という新常識―

[2025.07.14]

「テレビで帯状疱疹のワクチンの話題を見たけど、自分も摂取したほうがいいの?」そんな疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。この記事では、帯状疱疹の基本的な情報から、ワクチンを接種するメリットまでを医師が詳しく解説します。


メイトウホスピタル総合内科専門医
三重大学医学部前客員教授 
加藤公彦        

状疱疹は他人事じゃない!放置できないその痛みとは?

「最近、どうも体がだるい…」「これって風邪かな?」
そんな体のサインを感じた後に体の片側にピリピリとした痛みや、赤い発疹が現れていないでしょうか? それは、もしかしたら帯状疱疹かもしれません。

実は、子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスは、治った後も体の中から完全に消え去るわけではありません。私たちの神経節にひっそりと潜伏し、加齢やストレス、過労などで免疫力が低下したその隙を狙って、再び活動を始めるのです。この病気の症状や特徴は下記のとおりです。

  • 体の片側に帯状に広がる、水ぶくれを伴う赤い発疹(痛みの前にかゆみや違和感を感じることもあります)
  • 電気が走るような、焼けるような強い痛み
  • 50歳以上の方は注意!(発症リスクが急激に高まります)
  • 高齢者では痛みが非常に強く、日常生活に支障をきたすことも(夜、眠れないほどの激痛になることも
  • 発疹が治っても痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という厄介な後遺症(数ヶ月から数年続くこともあります)


これらの症状は、放っておくと生活の質を大きく低下させるだけでなく、長期にわたる苦痛の原因にもなりかねません。「たかが湿疹」と軽視せず、早期の診断と治療はもちろんのこと、何よりも「予防」が非常に大切なのです。

 

 

 

2025年4月から定期接種化!帯状疱疹ワクチンが重要な理由

なぜ今、これほどまでに帯状疱疹ワクチンが注目されているのでしょうか? その最大の理由は、2025年4月から帯状疱疹ワクチンが国の指定する定期接種に位置づけられたことにあります。

これは、日本における高齢化の進展に伴い、帯状疱疹の発症者が増加し、その重症化や後遺症が社会的な課題となっているからです。国として、帯状疱疹予防の重要性を強く認識し、国民への接種を推奨する方針へと変わったことを意味します。定期接種化されたことで、ワクチン接種は国民の健康を守る上で不可欠な予防策となりました。帯状疱疹ワクチンを接種することで、発症を効果的に抑えるだけでなく、もし発症した場合でも症状を軽くしたり、長引く痛みの原因となる帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行を防ぐ効果が期待できます。

驚きの研究成果!帯状疱疹ワクチンが認知症リスクを低減する可能性

帯状疱疹ワクチンには、単に帯状疱疹を予防するだけではない、新たな可能性が示されています。2025年に世界的な科学雑誌「Nature」で発表されたイギリスの大規模な研究では、帯状疱疹ワクチンを接種した人が、なんと7年間で認知症になるリスクが約20%も低下したという驚くべき結果が報告されました。

この研究は、誕生日によるわずかな違いを利用して、ワクチンを接種したグループと接種していないグループを比較するという、非常に信頼性の高い手法で行われました。これにより、「帯状疱疹ワクチンが高齢者の認知症リスクを減らす可能性がある」という、これまで知られていなかった重要な関連性が、より明確に示されたと評価されています。

帯状疱疹ウイルスが脳の炎症や血管に影響を及ぼす可能性も指摘されております。帯状疱疹ワクチンが、あなたの未来の健康を守るための、新しい「常識」となりつつあります。

参考文献:https://www.nature.com/articles/s41586-025-08800-x

【安心をプラス】ワクチンの副反応と接種対象について

ワクチン接種を検討する際、「副反応は大丈夫だろうか?」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、ワクチンのメリット・デメリットと、接種対象について詳しくご説明します。

 

ワクチン接種のメリット・デメリット

【メリット】

  • 帯状疱疹の発症予防・重症化の予防(60代後半~70代の方は重症化リスクが高い
  • 帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防
  • 認知症リスク低減の可能性(最新の研究では、認知症の発症リスクを約20%低下させる可能性が示唆されています)

【デメリット・副反応】

  • 接種部位の痛み、腫れ、赤み
  •  軽度の発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛

アナフィラキシーショックなど重篤な副反応は稀で、上記副反応にも個人差があります。

 

帯状疱疹ワクチンの種類と接種対象

現在、日本で接種可能な帯状疱疹ワクチンは、主に以下の2種類があります。いずれも50歳以上の方が接種対象です。

  1. 生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」など)
    • 水ぼうそうウイルスを弱毒化したワクチンです。
    • 接種回数: 1回
    • 比較的費用を抑えられます。
  2. 組換えワクチン(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス」など)
    • ウイルスの成分の一部を不活性化したワクチンで、近年注目されています。
    • 接種回数: 2回(通常、2ヶ月以上の間隔をあけて接種)
    • 高い発症予防効果と、その効果の持続性が報告されています。

ワクチン接種は強制されるものではなく、あくまでもご自身の健康を守るための選択です。どのワクチンを選べば良いか迷っている方や、ご自身の状態での接種について不安がある方は、ぜひ一度、医師にご相談ください。

知ってお得!帯状疱疹ワクチンの種類、費用、そして名古屋市の助成制度

帯状疱疹ワクチンは、ご自身の健康状態やライフスタイルに合わせて選択できるよう、主に2種類のワクチンがあります。ここでは、それぞれのワクチンの特徴や費用、そして利用できる名古屋市の助成制度について詳しくご紹介します。

 

帯状疱疹ワクチンの比較表

ワクチンの種類 接種対象年齢 接種回数 自己負担額
(名古屋市助成後)
その他の特徴
生ワクチン
(ビケン)
50歳以上 1回 4,200円/回
  • 水ぼうそうウイルスを弱毒化したワクチンです。
  • 比較的費用を抑えられます。
  • 免疫不全の方や妊娠の可能性がある方など、接種できない場合があります。
組換えワクチン
(シングリックス)
50歳以上 2回
(通常、2ヶ月以上の間隔をあけて接種)
10,800円/回
(2回接種で21,600円)
  • ウイルスの成分の一部を使ったワクチンで、高い発症予防効果が期待されます。
  • 生ワクチンよりも効果の持続性が報告されています。
  • 免疫力が低下している方にも接種可能です。

*全額自費で接種する場合、生ワクチンは7,000円~10,000円程度、組換えワクチンは1回あたり20,000円~30,000円程度かかります。

帯状疱疹ワクチンは定期接種になりますが、無料ではなく自己負担金があります。経済的な負担を軽減するため、名古屋市では独自の助成制度を設けています。助成の対象者や助成額、申請方法などの最新情報は、名古屋市の公式ウェブサイトをご確認ください。賢く制度を利用して、未来の健康への投資を検討しましょう。

メイトウホスピタルの帯状疱疹ワクチン接種について

メイトウホスピタルではネットからご予約いただいた患者様は、ご予約日に診察からワクチン接種までを行うことができます。

ネットでのご予約はこちら

お電話でのご予約・お問い合わせはこちら 

※当院では、組換えワクチン(シングリックス)の摂取を推奨しており、ご予約当日に摂取できるワクチンはシングリックスをご用意しております。
※摂取するワクチンの種類は、医師との診察でご相談し最終決定をします。
※ご不明点は、診察の際医師に尋ねるか、ご予約の際に記入をお願いします。

【よくある質問】帯状疱疹ワクチンFAQ

ここでは、帯状疱疹ワクチンに関してよくいただくご質問にお答えします。

Q1 帯状疱疹ワクチンはインフルエンザワクチンと同時に接種できますか?
  はい、可能です。ただし、医師の判断によりますので、同時接種をご希望の場合は事前にご相談ください。

Q2 過去に帯状疱疹にかかったことがありますが、ワクチンは必要ですか?
 帯状疱疹にかかったことがある方も、再発予防のためにワクチン接種が推奨されています。免疫力が低下すると再発する可能性があるためです。

Q3 帯状疱疹ワクチンを接種すれば、帯状疱疹にはもうかかりませんか?
 ワクチンは発症を完全に防ぐものではありませんが、発症リスクを大幅に低下させ、もし発症しても症状を軽くし、帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐ効果が期待できます。

医師からのメッセージ

帯状疱疹ワクチンは「うつべきか」? その答えは明確に「はい」です。

帯状疱疹ワクチンは、つらい帯状疱疹の発症や重症化、そして後遺症である帯状疱疹後神経痛の予防に非常に有効です。さらに、最新の研究では認知症のリスク軽減という、これまで予想もしなかった新たな可能性も示されています。特に60代後半から70代の方は、帯状疱疹の重症化リスクが高く、発症時の苦痛も大きくなる傾向があるため、積極的なワクチン接種を強くおすすめします。

健康寿命を延ばすために、今こそ「予防接種という選択」を前向きに考えてみてください。

 

前回の記事では、【医師が解説】カフェインで認知症予防?30代から始める脳活習慣を紹介しています。

 

当院でのサポート体制について

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参考ページ

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