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パーキンソン病の姿勢改善へのリハビリテーション(前屈み姿勢に対する運動療法)(2022.01.07更新)

齋木 英資監修:齋木 英資
(愛知医科大学パーキンソン病総合治療センター教授)

今回から、定期的にパーキンソン病の方のリハビリテーションについて、当院で実施している運動や医学的に効果が期待されるといわれている運動などをご紹介させて頂きます。

初回は、理学療法士の小島が担当致します。

 

パーキンソン病の症状の日常生活への影響

パーキンソン病の大きな特徴は、➀振戦(丸薬丸め運動)、②筋固縮(筋強剛)、③動作緩慢、③姿勢・歩行障害の4大症状です。

この4大症状やその他の症状の出現により、日常生活に不自由が生じ、1日の活動量が低下し、徐々に要介助状態となってしまうことがあり、4大症状の進行を遅らせることが日常生活の質をよくする上でとても大切です。

進行を遅らせるために有効と言われているのが、薬に加え、食事や運動です。

今回は4大症状の1つである姿勢障害により前屈み姿勢になっている方への運動療法を一つご紹介致します。

 

前屈み姿勢とは?

正しい姿勢は、背筋が伸びている状態で(図A)、背中側の骨にあたる頸椎の前弯、胸椎の後弯、腰椎の前弯、骨盤の前傾が適度に保たれている姿勢といわれています。

一方、前屈みの姿勢はいわゆる猫背で、胸椎の後弯が増強したり、腰椎の前弯が減少したり、骨盤の前傾が減少したり、それぞれが複合的に生じている状態です(図B~D)。

 

前屈み姿勢の影響

猫背により、重心が前方へ移動することで、バランスを崩して転倒してしまう危険が生じたり、頭が前方へ突き出し、頚部が過度に反ってしまうことで、食事の際のむせ込みの原因にもなります(図:『気道/食道の位置と頸部肢位』)。

前屈み姿勢は胸椎や腰椎の正常な位置関係を保てなくなることで生じます。低い椅子に座る、あぐらをかく、スマートフォンやパソコン操作時に背中が曲がっているなど日常生活での不良姿勢を長時間続けることが影響していることが多いです。

また、現在来院されている方の中でも、朝方に動きにくいという方が多くみえます。お話しを伺っていると、就寝時の姿勢が影響している可能性が考えられたため、姿勢に合わせた枕の高さやマットレスの硬さ調整などご提案したところ、朝方の動きにくさを改善できた方もみえました。

このように、日常生活のちょっとした意識や工夫で症状の緩和が図れる場合があります。

 

前屈み姿勢に効果的な運動

今回は、胸椎や腰椎の動きを改善する為の方法として、当院でもご提案しているタオルやポールを使用した「胸椎・腰椎伸展運動」をご紹介します。

【運動方法】

準備する物:バスタオル
  1. バスタオルを半分に折り、横にして丸め、棒状にする。
  2. 丸めたバスタオルを床に置き、肩甲骨もしくは腰の少し上にバスタオルがくるように上向きで寝る。※首や腰が反ってしまう場合は、枕を高くする、膝を立てるなどで調整して下さい。
  3. 両手でバンザイをし、背中を伸ばす。

10回繰り返し、休憩を挟んで計20回を朝・晩(時間があれば昼も)行う。

上記の運動をする際は、食事直後は避けて頂き、疼痛などにも留意し、無理のない範囲で行って下さい。

効果を出すためには、胸椎、腰椎のどこが動きにくくなっているかを把握することが重要で、その部位には個人差があります。バスタオルを当てる位置を調整し、一番伸びていると感じる場所にあてて行ってみて下さい。

背中や腰に不安がある場合は主治医や理学療法士など専門家に相談の上、行って下さい。

 

おわりに

今回の運動は、パーキンソン病の方に限らず、日ごろから不良な姿勢をとっている方にも効果が期待できます。ぜひ試しに行ってみてください。

次回以降は当科の理学療法士、作業療法士が取得したLSVT BIGについての説明や運動をご紹介したいと思います。

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