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胃潰瘍の症状・原因と隠れた病気

胃の痛みや胸やけ、そんな症状を感じたことはありませんか?多くの人が経験するこれらの症状。「胃もたれだろう」と軽く考えがちですが、実は重大な病気のサインかもしれません。

今回は、胃痛の原因として、よく知られている「胃潰瘍」について詳しくお話しします。ここで注意したいのが、胃潰瘍の症状が他の深刻な病気と似ていることです。例えば、胃がんの初期症状が胃潰瘍と酷似していることをご存知でしょうか?また、心臓の病気が胃の痛みとして現れることもあるのです。

つまり、「たかが胃の痛み」と思っていたものが、実は命に関わる重大な病気のサインだった...そんなことも十分にあり得るのです。この記事では、胃潰瘍についての基本的な知識、見落としがちな重要なポイントについてもわかりやすく解説します。

 

 胃潰瘍とは

胃潰瘍って、実際どんな病気なのでしょうか? 簡単に言えば、胃の内側にできた傷のようなもの。酸に強いはずの胃ですが、胃酸や消化酵素によって胃壁が侵され、痛みや出血を引き起こすします。さらに、この傷は、時に胃の壁を貫通するほど深刻になることもあります。重症の胃潰瘍の場合、80歳以上では死亡率が約45%にものぼるとの報告があります。

一般的な症状

  • 上腹部の痛み(特に食事の2~3時間後や空腹時に悪化)みぞおちあたりのズキズキとした持続的な痛み
  • 胸やけ
  • 吐き気や嘔吐
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • まれに、黒い便(消化管出血の兆候)

これらの症状は、人によって感じ方が異なり、症状の出方も個人差があります。症状がない「無症状の胃潰瘍」もあるので注意が必要です。

 

胃潰瘍の主な原因3つ

では、胃潰瘍はなぜなるのでしょうか。主な原因を下記にてご説明します。

  1. ピロリ菌感染ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が胃の粘膜を傷つけ、潰瘍を引き起こす。最も一般的な原因。
  2. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用 :アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどの痛み止めの長期使用が原因となることがあります。
  3. ストレス:胃酸の分泌を増加させ、胃の粘膜を傷つける可能性があります。

 

重要なのは、これらの症状や原因が他の病気と共通していることです。例えば、ピロリ菌感染は胃がんのリスク因子でもあります。だからこそ、症状があればすぐに専門医の診察を受けることが大切。胃潰瘍は初期症状であればお薬で治療ができます。ピロリ菌の除菌を行えば胃がんの発症率が約1/3以下になると言われています。自己判断したり、放置せずに、お医者さんの診断を受けましょう。

引き続き、胃潰瘍と間違えやすい重大な病気について詳しく解説します。

 

症状別・胃潰瘍と間違えやすい重大な病気

胃潰瘍の症状は、実は他の深刻な病気と似ていることがあります。ここでは、胃潰瘍と間違えやすい重大な病気をいくつか紹介します。

腹部の痛み

  1. 胃がん(胃がんの初期症状は胃潰瘍とよく似ています)
      症状▸▸上腹部の不快感や痛み、食欲不振、吐き気、体重減少など

  2. 十二指腸潰瘍(胃のすぐ隣にある十二指腸にできる潰瘍)
      症状▸▸上腹部の痛み(特に空腹時)、胸やけ、吐き気
        
  3. 急性膵炎( 膵臓の炎症)で、です。
      症状▸▸上腹部の突然の激しい腹痛が特徴(背中に放散することも)、吐き気・嘔吐、発熱

胸やけ

  1. 虚血性心疾患
      症状▸▸胸やけのような不快感、上腹部の痛み、吐き気

    
これらの病気は、適切な検査なしでは胃潰瘍と区別するのが難しいことがあります。そのため、持続する胃の不快感や痛みがある場合は、必ず医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。

 

早期発見の重要性

  1. 症状が軽微でも受診が必要な理由

多くの消化器系の病気は、初期段階では症状が軽微なことがあります。「様子を見よう」と放置することで、病状が進行してしまう可能性があります。さらに前述のように、胃潰瘍と似た症状を示す重大な病気があります。早めに受診することで、より深刻な病気を早期に発見できる可能性が高まります。

  1. 定期的な健康診断やがん検診の重要性

健康診断やがん検診では、自覚症状がない段階で病気を発見できることがあります。さらに、検診結果から、将来的な病気のリスクを知ることができます。例えば、ピロリ菌検査で陽性だった場合、胃がんのリスクが高いことがわかります。

定期的に検査を受けることで、わずかな変化も見逃さず、適切なタイミングで対処できます。多くの場合、早期発見・早期治療ほど、治療効果が高く、回復も早くなります。

メイトウホスピタルでは、最新の医療機器と専門医の知識を活かし、以下の検査を年間通じて実施しています。

  • 胃カメラ検査
  • バリウム検査
  • 大腸カメラ検査
  • ピロリ菌検査
  • 胃がんリスク検査

これらの検査を定期的に受けることで、胃潰瘍はもちろん、その他の消化器系の病気も早期に発見し、適切な治療を開始することができます。以下では、これらの検査の詳細について説明します。

 

さまざまな検査 

胃潰瘍やその他の消化器系の病気を正確に診断するためには、適切な検査が不可欠です。メイトウホスピタルで実施している主な検査方法を紹介します。

  概要 利点 所要時間 注意点

 胃カメラ検査

細い管状のカメラを口から挿入し、食道、胃、十二指腸の内部を直接観察する検査です。 潰瘍や腫瘍を直接目で見て確認できます。必要に応じて組織検査(生検)も同時に行えます。 10~15分程度 検査前は6時間程度の絶食が必要。
検査前の注意事項

 バリウム検査   

バリウムという造影剤を飲み、X線で胃や食道の形や動きを観察します。

胃の全体的な形や動きを見ることができます。胃カメラが苦手な方にも適しています。

30分程度 検査後はバリウムを排出するため、多めの水分摂取が必要。

胃がんリスク検査 (ABC検診)

血液検査でピロリ菌抗体とペプシノゲンを測定し、胃がんのリスクを評価します。 簡単な血液検査で胃がんのリスクを知ることができます。 数分

結果によっては、さらに詳しい検査が推奨される。

大腸カメラ検査

肛門から細い管状のカメラを挿入し、大腸の内部を観察します。

大腸ポリープや大腸がんの早期発見に有効です。 20~30分程度 検査前日からの食事制限と下剤の服用が必要です。
大腸ポリープ切除後の注意事項

どの検査が最適かは、症状や状況に応じて専門医が判断いたします。早期発見・早期治療のためにも、定期的な検査をお勧めします。

 

まとめ

当院の検査は患者様のご希望を第一優先いたします。たとえば胃カメラ検査で痛みが心配な方には、鼻用の細いカメラを使って口から挿入すること、検査の時間が気になる方には予約時間を調整することをご提案させていただきます。女性医師がご希望の方は女性の医師も在籍しております。検査の前やご予約の際にご相談ください。皆様の健康が守られますように。

 


メイトウホスピタル 消化器内科 石黒
  (毎週金曜日外来担当)     

 

参考ページ

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