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【医師監修】パーキンソン病の最新治療 -デバイス治療で広がる未来の選択肢-

[2025.10.23]

齋木 英資監修:齋木 英資
(愛知医科大学パーキンソン病総合治療センター教授)

はじめに

「薬をきちんと飲んでいるのに効き目がすぐ切れる」
「動ける時と動けない時の差が大きい」
「副作用の体の揺れがつらい」。

パーキンソン病と診断され、治療を続けている患者さんの多くが感じる悩みです。最初は少量の薬で日常生活に支障が出ない方も、発症から10年、20年と時間が経つにつれ「薬の効き目が短くなる(ウェアリング・オフ)」や「体が勝手に揺れる(ジスキネジア)」といった問題が出てきます 。

こうした問題に対し、近年注目されているのがデバイス治療(機器を用いた最新治療)です。本記事では、脳深部刺激療法(DBS)、デュオドーパ、そして最新のヴィアレブについて詳しく解説し、どんな人に向いているのか、効果と注意点をわかりやすくお伝えします。

 

デバイス治療とは何か?

デバイス治療とは、飲み薬や貼り薬以外に「機器」を使って症状を安定させる治療です。代表的には以下の2種類があります 。

1. 脳深部刺激療法(DBS:Deep Brain Stimulation)
  脳内の特定の部位に電極を植え込み、胸部に埋め込んだ装置から電気刺激を送って症状を改善します。

2.ポンプ治療

 2-1 デュオドーパ(経腸療法):胃ろうから小腸に直接薬を注入する治療。
 2-2ヴィアレブ(持続皮下注射):2023年に登場した新しい方法で、皮下にカニューレを入れて薬を持続投与します。
いずれも共通しているのは、薬の効き目のムラを抑え、オフ時間を減らし、生活の質を改善できる点です 。

 

デバイス治療で期待できる効果

デバイス治療を行うことで、以下の効果が期待されます 。

 ・薬の効き目が安定し、オンとオフの差が小さくなる
 ・オフ時間が短縮し、動ける時間が増える
 ・ジスキネジア(体の揺れ)が軽減する
 ・内服薬の量や回数を減らせる(特にDBSは薬を減らせる唯一の治療)

ただし、薬と併用する場合も多く、「薬+デバイス」という形になるのが一般的です。そのため、患者さん本人だけでなく、家族や介護者の協力も欠かせません。

 

各デバイス治療の特徴

1. 脳深部刺激療法(DBS)

仕組み:脳の深い部分に電極を入れ、電気刺激で異常な信号を抑える
歴史:2000年から日本で導入され、最も実績がある治療
効果:オフ時間短縮、ジスキネジア軽減、薬の量を減らすことが可能
適応:65歳以下で、認知機能に問題がなく、幻覚や強いうつがない患者

メリット
  • 効果が長く続き、生活が安定
  • 薬を減らせる唯一の方法
デメリット
  • 手術が必要(脳に電極、胸に刺激装置を植え込む)
  • 認知機能や精神面へのリスク(うつ、不安の悪化など)

2. デュオドーパ(経腸療法)

仕組み:胃ろうからチューブを通し、小腸にL-ドパを16時間持続注入
効果:薬の血中濃度が安定し、極端なオフやジスキネジアが軽くなる
適応:高齢者も可能。DBSが難しい場合の選択肢

メリット
  • 効果はDBSに近い
  • お試し(鼻からチューブを入れる短期入院)で効果を確認できる
デメリット
  • 胃ろうを造設する必要がある
  • ポンプを常時装着するため生活の負担がある

3. ヴィアレブ(持続皮下注射)

仕組み:皮膚の下にカニューレを挿入し、24時間薬を持続注入
登場:2023年、日本から世界に先駆けて開始された新治療
効果:DBSやデュオドーパほど強力ではないが、オフ症状を軽減

メリット
  • 手術不要で始めやすい
  • 体への負担が比較的小さい
デメリット
  • 注入部位の腫れや感染リスク
  • 毎日薬の充填、3日に1度のカニューレ交換が必要
  • 介護者の協力が必須

 

パーキンソン病の"今"と"これから"について専門医に相談しませんか?

今回の記事では、最新のデバイス治療についてお伝えしました。このように、パーキンソン病の研究や治療法は日々進化しています。

  • 最新の研究について、自分の病状と合わせて詳しく知りたい
  • パーキンソン病なのかどうか診断したい
  • 病気の進行や、今後の生活について、専門的な見通しを聞きたい

パーキンソン病と長く向き合っていく中では、上記のような疑問やご希望が出てくることがあるかもしれません。当院には、パーキンソン病の診療経験豊富な神経内科の専門医が在籍しており、常に最新の知見を取り入れながら、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最善の治療法をご提案しています。

また、当院では患者さん同士の情報交換や心理的なサポートの場としてPDサロンを定期的に開催しております。同じ悩みを持つ仲間と話すことで、気持ちが楽になったり、役立つ情報が得られたりします。パーキンソン病に関することなら、どのようなことでも構いません。一人で悩まず、ぜひ一度当院にご相談ください。

 

また、お電話・受付でもご相談いただくことができます。「パーキンソン病診断(治療)を希望」とお伝えください。

電話:052-701-7000(平日9:00~17:30、土曜日9:00~12:30)

詳細はこちらでもご案内させていただいております(パーキンソン病外来開始のお知らせ

 

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