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サプリメントだけではない:血中EPA/DHA濃度測定の重要性

[2024.03.28]

EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、主に魚油に含まれるオメガ3脂肪酸です。これらは似たような健康効果を共有しており、中性脂肪の低下や抗炎症特性を含みますが、その機能や効果には違いがあります。EPAは、血小板の凝集を減少させることで知られており、これにより血栓の防止に役立ちます。DHAは、脳の健康と発達において重要です。どちらも体内で十分な量が生産されず、食事やサプリメントを通じて摂取する必要があるため、必須とされています。

高血圧や糖尿病、脂質異常症による動脈硬化症を予防し、健康的な生活を送るためには、日々の食生活が非常に重要です。特に、心血管疾患の家族歴*¹がある方にとって、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)といったオメガ3脂肪酸の摂取は、そのリスクを減少させる可能性があります。これらの脂肪酸は、主に青魚に多く含まれており、サプリメントを通じて摂取することもできます。

しかし、ただサプリメントを服用すれば良いというわけではありません。なぜなら、人によって吸収率や体内での反応が異なるため、実際に血中濃度を測定し、適切な量を摂取しているか確認することが重要だからです。

*¹ 家族歴とは、両親や兄弟、祖父母などの血縁者の中に、同じ病気、もしくは関連のある病気にかかった人がいるかどうかのことです。

 

 

血中濃度の測定がなぜ重要か?

  1. 個人差の把握:EPAやDHAの吸収率は人によって異なります。サプリメントの服用量が同じでも、血中濃度は個人差があります。
  2. 適切な摂取量の確認:血中濃度を測定することで、自分にとっての適切な摂取量を知ることができます。
  3. 効果の確認:定期的な測定により、EPAやDHAの摂取が動脈硬化予防に効果があるかを確認できます。

 

ある研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38047387/g )では、健康な成人40,885人のEPA/DHAのデータを調査した結果、一親等内血縁家族に心臓血管病患者がいて、その上にEPA/DHAの血中濃度が低い人は、健康な成人と比較して将来、心臓血管病を発症する危険度(リスク)が1.4倍に増えることが分かりました。この研究では血中のEPA/DHA濃度が低い人は心臓血管病発症リスクが高いことを示唆しています。すなわち心臓血管病の家族歴がある人に対して、EPA/DHAを積極的に摂取することにメリットがあることを示唆しています。

 

 

血液検査を受ける3つのメリット

メリット① 自身の健康状態を把握:EPAやDHAだけでなく、悪玉コレステロール・中性脂肪・血糖値・
      肝機能検査・腎機能検査など動脈硬化によって悪化するといわれる他の健康指標もチェックできます。
メリット② 予防医学の実践:早期発見・早期治療につながります。
メリット③ 食生活の改善:検査結果を基に、より健康的な食生活へと改善することができます。

 

まずは血液検査を受けてみてください

EPAやDHAのサプリメントを服用している方、またはこれから始めようと考えている方は、一度血液検査を受けてみませんか?自分自身の体内での脂肪酸の状態を知ることは、動脈硬化予防への大切な一歩です。また、その結果をもとに医師や栄養士と相談し、最適な健康管理を行うことができます。

健康は一日にして成らず。日々の小さな積み重ねが大きな差となります。今日、血液検査を受ける決断をすることが、未来の健康への投資となります。あなたの健康的な未来のために、ぜひ血液検査を検討してみてください。

メイトウホスピタル循環器内科ではEPA/DHAの血中濃度測定(健康保険適応あり)とその結果に基づく健康アドバイスを行っています。


メイトウホスピタル 循環器内科 加藤公彦
(毎週火曜日・水曜日外来担当)

 

詳しくはコチラからご質問ください。

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