家族に大腸ポリープがあると、大腸がんリスクが高まる!?
「家族にポリープがあるって言われたけど、自分にも影響あるの?」「家族歴って聞いたことあるけど、家族の病気と自分は関係あるの?」そんなふうに考えたことはありませんか?
最近、ドイツのハイデルベルク大学が発表した研究で、家族に大腸ポリープの診断歴がある場合、その人自身の大腸がんリスクが高くなるということが科学的に示されました。この研究は、2025年1月に医学誌『Gastroenterology』に掲載された内容※¹です。
研究で明らかになったこと
この研究は、スウェーデンで1964年から2018年にかけて収集された1,167万人以上の家族性がんデータが使われました。非常に大規模なデータを元に、以下のような結果が報告されています。
✅一等親(親・兄弟・子ども)にポリープが1回診断された人の大腸がんリスクは、1.4倍
✅一等親にポリープが2回以上診断された場合は、リスクが1.8倍
✅複数の一等親がポリープ診断を受けている場合は、最大でリスクが2.4~3.9倍に上昇
特に早期に大腸がんを発症するリスク(50歳未満での発症)も高くなることが示されています。つまり「家族の中にポリープがあった」というだけでなく、「どれだけの家族が」「何回診断されたか」も非常に重要なのです。
なぜ?何が重要?
この研究が教えてくれることは、「大腸がんは遺伝だけではなく、家族の病歴全体が影響する」という点です。もし家族に大腸ポリープの診断歴があるなら、通常よりも早めの大腸がん検診を検討することが推奨されます。名古屋市では40歳から大腸がん検診の無料クーポンが配布されています。しかし下記に当てはまる方は早めに検査を行った方がいいかもしれません。
✅ 複数回大腸ポリープを指摘された親族がいる方
✅ まだ40歳前だけど、家族が大腸ポリープと診断された方
このような方は、医師と相談し、スクリーニング(検診)の時期や頻度を見直すことをおすすめします。
最後に自分の「家族歴」を知ろう
健康診断では「自分の数値」にばかり目がいきがちですが、**「家族の病歴」**も立派な健康のバロメーターです。今回の研究のように、家族の情報が未来のリスクを減らすヒントになるかもしれません。
あなたの「これからの健康」は、今日のちょっとした気づきから始まります。家族で健康について話し合ってみるのも良いかもしれませんね。
監修:愛知医科大学名誉教授
春日井 邦夫
当院でのサポート体制について
メイトウホスピタルでは専門医が患者様に合わせた健康アドバイスや健診を行っています。少しでも体に不安のある方は一度ご相談ください。大腸がん検診も随時予約を受け付けております。
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参考ページ
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