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冬の気温と血圧の関係:あなたの健康を守るために

[2023.12.04]

メイトウホスピタル
循環器内科医師 加藤公彦

 

冬の訪れは、気温の低下をもたらし、私たちの健康に影響を与えます。特に血圧に関しては、寒冷な環境が大きな変動を引き起こすことがあります。メイトウホスピタルでは、この季節に安心して過ごせるように、大切な情報を提供しています。

なぜ気温が下がると血圧が上がるのか?

  • 血圧上昇のメカニズム: 外気温が下がると体は熱を保持しようとして血管を収縮させます。血管が狭くなると、血液が通るための空間が狭まり、結果として血圧が上昇することがあります。
  • 血圧上昇のリスク:心臓血管疾患の持病がある方や、既に高血圧で治療を受けている方にとっては、注意が必要です。冬の血圧上昇は、心筋梗塞や脳卒中など、重大な健康リスクを引き起こす可能性があります。

 

血圧変動への注意と対処法

  • 冬の血圧変動はとても注意が必要です。室内の気温をなるべく一定にして、血圧の急激な変動を防ぎます。
  • 定期的な血圧測定: 家庭での測定を通じて、血圧の変動を把握しましょう。
  • 下の図は血圧と気温の関係を示したグラフです.朝と夜の収縮期血圧と天気予報による最低気温と最高気温の関係を示しています。
  • グラフから朝の収縮期血圧・夜の収縮期血圧ともその日の最高気温・最低気温と相関があることが分かります.つまり『気温が低い時は血圧が上がり,気温が高い時は血圧が下がる』ということが分かります。

(提供 鹿児島大学名誉教授 伴 清治先生)

 

入浴の時やトイレに行く時は特に注意

入浴中の死亡者数は交通事故死亡者数のおよそ3倍と言われています。さらに、入浴の時に死亡する人の約50%は冬場に起こると言われています。冬場の入浴やトイレは特に注意が必要です.朝の最低気温が低い時ほど,こうした入浴の時の事故は起こりやすくなります。朝の最低気温10℃以下の時は要注意です(Katsuyama M, et al. Review Sci Rep. 2023;13:2277

入浴時の注意: お湯の温度を適度にし、長時間の入浴や急な立ち上がりを避けます。

  • 長時間お風呂につかると血圧が下がりすぎることがあります。10~15分程度の入浴を心がけましょう。
  • 熱いお湯に急につかると血圧が急激に変動することがあります。
  • 浴槽から立ち上がる際は、ゆっくりと立ち上がってください。急激な動作はめまいや立ちくらみの原因になります。
  • 寒い脱衣所で裸になると血圧が上昇するリスクが高くなります。

トイレ使用時の配慮: トイレからの立ち上がりはゆっくりとし、無理な力みは避けます。寒いトイレで服を脱ぐと血圧が上昇するリスクが高くなります。

脱衣所や洗面所の暖房器具の選び方

脱衣所や浴室での暖房器具選びは、安全性と心臓への負担を考慮します。セラミックヒーターやパネルヒーター、オイルヒーター、遠赤外線ヒーターなどがお勧めです。

セラミックヒーター:

セラミックヒーターは迅速に暖めることができ、温度調節が容易です。小型で移動も簡単なため、脱衣所に適しています。

パネルヒーター:

壁掛け可能なパネルヒーターは、スペースを取らずに部屋全体を均一に暖めることができます。表面温度が低いものを選ぶと安全です。

オイルヒーター:

オイルヒーターは穏やかで自然な暖かさを提供し、急激な温度変化が少ないため、心臓への負担が軽減されます。また、空気を乾燥させにくいのも利点です。

遠赤外線ヒーター:

遠赤外線ヒーターは直接体を温め、心臓への負担を最小限に抑えることができます。即効性があり、効率的な暖房が可能です。

注)  安全性と健康への配慮

防水性能や安全性を重視した製品選びが重要です。特に、水回りの多い脱衣所では、感電や漏電のリスクを避けるために、安全機能が備わった製品を選ぶことが望ましいです。

 

メイトウホスピタルでのサポート

冬の血圧管理に関して、専門的なアドバイスとサポートを提供しています。血圧が気になる方や心臓血管疾患のリスクがある方は、メイトウホスピタルオンライン診療窓口へご相談ください。

オンライン診療詳細

オンライン診療の予約

まとめ

冬場の低気温が血圧に与える影響は無視できません。適切な対策と専門的なサポートで、この季節も健康に過ごしましょう。不安や疑問があれば、メイトウホスピタルまでお気軽にお問い合わせください。

「全ての方に喜んでいただけるヘルスケアを提供します」

メイトウホスピタルの願いです。


メイトウホスピタル 循環器内科 加藤公彦

 


 

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