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新型コロナウイルス感染症に対する治療薬

[2022.03.01]

*2022年2月21日時点の情報に基づいて作成しています。

前回は新型コロナウイルス感染症に関するオンライン診療(遠隔診療)に関して紹介しました。
今回は新型コロナウイルス感染症治療薬についてお伝えします。

新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の位置付け

新型コロナウイルス感染症に対して承認を受けている治療薬は7つあり、重症感染症の適応のある治療薬を含めると合計8つとなります。

新型コロナウイルスに感染したとしても、軽症の場合は自然に治癒することが多いため、重症化のリスクが高い方のみが治療薬の対象となります。

重症化リスクが高いとされている方は以下となります。

  • 50歳以上の方
  • 肥満の方(BMI30kg/m2以上)
  • 一型・二型糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 高血圧
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 心疾患
  • 喫煙
  • 妊娠後期
  • 慢性肝疾患
  • 免疫抑制状態の方

ご自身の状態・状況が重症化リスクに該当するかどうか不安な方は保健所か医療機関で確認しましょう。

また、新型コロナウイルス感染症の薬物治療は、原則として、PCR検査などを経て確定診断を受けなければ対象にはなりません。濃厚接触や感染疑いのみでは対象とならないため注意が必要です。

新型コロナウイルス感染症治療薬の選択

治療薬の投与は重症度によっても異なります。重症度評価は酸素飽和度などの指標が用いられます。臨床状態の違いは以下となります。

重症度 臨床状態
軽症 呼吸器症状なし、咳のみ息切れなし
中等症 I 呼吸器不全なし 呼吸困難、肺炎所見
中等症II 呼吸器不全なし 酸素投与が必要
重症 ICUに入室 or 人工呼吸器が必要

(※)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 6.2 版 を元に作成

新型コロナウイルスでは、発症後から数日まではウイルスによる増殖を抑えることが重要と考えられています。そこで、この時期には抗ウイルス薬や中和抗体薬が使用されます。

発症から7日前後以後で中等症や重症の患者さんには、抗炎症薬が投与されます。

抗ウイルス薬、中和抗体薬、抗炎症薬ともに複数の製品が承認を受けています。投与経路や期間、特徴などが異なり、薬剤の在庫や状況に応じて使い分けられています。

以下は各製剤の特徴を簡潔にまとめたものです。ご参考にしていただければと思います。

<抗ウイルス薬>

成分名 レムデジビル モルヌピラビル ニルマトレルビル・リトナビル​​
販売名 ベクルリー点滴静注用​​ ラゲブリオカプセル パキロビッドパック
対象者 軽症~重症 軽症~中等症Ⅰ ※重症化リスク因子有り

軽症~中等症Ⅰ ※重症化リスク因子有り

投与経路 点滴静注 内服 内服
投与期間 3 日間(軽症) 5 日間 5 日間
特徴、注意 3日間の点滴治療が必要 妊婦/授乳婦への投与禁忌、服用中と服用後 4 日間の避妊推奨 腎障害時の調整必要(eGFR 30-60ml/min で 150/100mg に 減量、eGFR <30ml/min で投与非推奨

(※)承認済の新型コロナウイルス治療薬を元に作成

<中和抗体薬>

成分名 カシリビマブ・イムデビマブ ソトロビマブ
販売名 ロナプリーブ注射液 セット ゼビュディ点滴静注液
対象者

軽症~中等症Ⅰ
※重症化リスク因子有り
発症抑制
※曝露後の免疫抑制患者等

軽症~中等症Ⅰ
※重症化リスク因子有り
投与経路 点滴静注 点滴静注
投与期間 1 回 1 回
特徴、注意 omicron 株へ使用不可 omicron 株に使用可

(※)承認済の新型コロナウイルス治療薬を元に作成

<抗炎症薬>

成分名 デキサメタゾン バリシチニブ トシリズマブ
販売名 デカドロン錠など オルミエント錠 アクテムラ点滴静注
対象者 重症感染症 中等症Ⅱ~重症 中等症Ⅱ~重症
投与経路 経口、経管、静注 経口 点滴静注
投与期間 経口で10日間 14日間まで 1回
特徴、注意 腎不全の症状が増悪するおそれがある。 レムデシビルと併用して用いる。 妊婦/授乳婦への投与可

(※)承認済の新型コロナウイルス治療薬を元に作成

参考情報
  1. COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第 13 版(2022年2月10日)
  2. 承認済の新型コロナウイルス治療薬
  3. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 6.2 版
  4. 新型コロナウイルス感染症治療薬の承認について
  5. デカドロン錠0.5mg/デカドロン錠4mg (japic.or.jp)
 
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