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高血圧症の診断と治療について知っておきたいこと

[2023.08.08]

この記事では高血圧症の診断と治療について、重症度分類や合併症、生活習慣改善や薬物治療などを紹介します。

高血圧症とは?

高血圧という言葉を耳にすることが多いと思いますが、どのような状態のことを言うのでしょうか。血圧とは、心臓から出てきた血液が血液の通る管(動脈)の壁(血管壁)の内側を押す力のことを意味します。そして高血圧は、血圧が正常な範囲よりも高い状態が続く病気です。

高血圧の診断と重症度分類

高血圧症の診断は収縮期の血圧と拡張期の血圧を測定することで行われます。収縮期の血圧は、心臓が収縮して血液を送り出す時に動脈の内側の壁にかかる血液の圧力です。一方拡張期の血圧は、心臓が拡張した時にかかる圧力です。この拡張のタイミングで血圧は最も下がります。

収縮期と拡張期の血圧の測定値を元に高血圧の重症度の分類が行われます。血圧は変動があるため、何度か繰り返して計測をした結果、いつも基準値よりも高くなる場合に高血圧症と診断されます。

また高血圧の測定値も、病院やクリニックなどで測定した診断室血圧と、自宅にいて、自分で測定する家庭血圧に分けられ、それぞれ基準値が若干異なります。

https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019_gen.pdf

高血圧に関連する主な合併症

高血圧の状態が続き、心臓から出る血液の通り道である動脈の壁に負担がかかり続けると、動脈の壁が固くなり、血管が狭くなります。これが動脈硬化です。

そして、動脈硬化になると血管の壁の弾力性が失われることや、狭くなった血管によって臓器や細胞に必要な栄養や酸素が送れなくなりさまざまな病気につながります。以下は高血圧の主な関連疾患です。

心筋梗塞・狭心症

心臓の筋肉(心筋)に栄養分や酸素を送る血管(冠動脈)が狭くなってしまい、心臓が動くために必要な血液が送られなくなってしまうのが狭心症と呼ばれる病気です。一方、冠動脈が詰まってしまうのが心筋梗塞です。

脳出血・脳梗塞

脳の血管が詰まってしまう状態が脳梗塞であり、脳の血管が破れて出血してしまう状態が脳出血です。脳の病気により重度の障害が残ることもあり注意が必要です。

高血圧性腎障害・腎不全

腎臓は血液をきれいにして、体に不必要な物質や水分を排出する働きをしていますが、不要物の濾過を行う上で、血圧を一定に保つことが必要です。高血圧が続くと腎臓の働きが低下し、腎臓の障害や腎不全につながります。

高血圧の対処法

高血圧に対してどのような対応が求められるのでしょうか?大きくは生活習慣改善と薬物療法に分けられます。

生活習慣改善

生活習慣改善では大きく運動療法と食事療法に分けられます。

運動療法

運動療法は高血圧により負担のかかった血管内皮の機能を改善し降圧効果があると考えられており、高血圧患者における血圧降下作用が確認されています。運動頻度としては、定期的に行うことが望ましいと考えられており、毎日30分以上のウォーキングや軽いジョギングなどが推奨されています。

食事療法

食事療法では塩分の摂取を制限する減塩がよく知られています。塩分の摂取によりナトリウムの濃度が高くなると、それが喉の渇きにつながり水分を摂るようになり、その結果、血液の量が増えて血圧が高くなります。そのため減塩が重要と考えられています。
一方で、近年は野菜や果物に多く含まれるカリウムが血圧を下げる働きがあることがよく知られるようになり、減塩に加え、野菜や果物を含めたバランスの良い食事が重要と考えられています。また飲酒は高血圧に影響を与えると考えられています。お酒を飲まれる方は意識して量を減らしていきましょう。

体重管理

肥満により血圧が高くなることがあります。運動習慣をつけ食生活を改善することで体重をコントロールしましょう。

薬物療法

薬物療法は生活習慣を改善してもなかなか血圧が改善しない場合に行います。血圧を下げる降圧剤はその作用によって大きく4つのタイプに分けられます。

作用 主な降圧剤
血管を広げる カルシウム拮抗薬
血管を収縮させる作用を減弱させる

ARB:アンジオテンシン受容体拮抗薬
ACE阻害剤:アンジオテンシン変換酵素阻害薬

血管から食塩と水分を排出する 利尿薬
心臓の過剰な働きを抑える β遮断薬

薬物療法では副作用が伴うことも多くあります。主治医の先生と相談しながら、副作用も理解した上で、ご自身の病状にあった薬剤を選択しましょう。

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