高齢で発症しやすいパーキンソン病
[2023.02.11]
監修:齋木 英資 先生
(愛知医科大学 パーキンソン病総合治療センター教授)
高齢で発症しやすいパーキンソン病
- パーキンソン病は1978年〜2018年の40年間に国内では50倍まで増えて、国内には162,589人(2018年現在)患者さんがいると言われています。
- そのうち約90%の患者さんは65歳以上で発症しており、10%程度が若年で発症します(遺伝性の可能性が指摘されています)。
- 更に悪いことに65歳以降に発症したパーキンソン病は急速に進行しHoehn-Yahr gradeⅢ(小刻み歩行・すくみ足・方向転換の時に転倒しやすいなどの症状が出現する段階)まで平均8.9年で進行すると言われています(Ferguson 2016)。
参考)パーキンソン病発症年齢についての国際比較
-どの国でも同様な傾向がみられ、65歳を超えると発症患者数が急激に増えます-
まとめ
- パーキンソン病は治療可能な病気なのですが、一旦発症すると徐々に症状が進行し、日常生活に支障をきたし、医療・介護が必要な状況になってしまいます。
- しかも好発年齢が65歳以降と定年退職前後に発症しやすく、リタイア後に旅行したり、自分の趣味に打ちこんだり、夫婦でのんびりと旅行したりというリタイア後の生活の夢が奪われてしまうリスクがあります。
- それを防ぐためには何といっても早期の診断と治療。そしてパーキンソン病と分かったらその進行を遅らせるように適切な治療やリハビリテーションが大切になってきます。
次の記事では、パーキンソン病患者さんが日常生活で気をつけることについて詳しく解説していきたいと思います。
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参考情報
- Physiotherapy intervention in Parkinson's disease: systematic review and meta-analysis BMJ. 2012 Aug 6;345:e5004.