パーキンソン病患者さんが日常生活で気をつけること
監修:齋木 英資 先生
(愛知医科大学 パーキンソン病総合治療センター教授)
パーキンソン病患者さんが日常生活で気をつけること
パーキンソン病を患っている人々は、日常生活で様々なストレスに直面しています。仕事をすることも、家事や買い物などの日常的な活動も、病気の症状によっては困難な場合があります。
しかし、パーキンソン病を患っている人々にとっても生きがいは大切です。仕事や趣味、家族や友人との交流など、自分自身がやりたいと思えることに取り組むことで、精神的な支えとなります。
また、パーキンソン病を患っている人々は、ストレスを軽減するために運動や瞑想などのリラックス法を取り入れることが効果的です。自分に合った方法を見つけて、日常生活で積極的に実践することが大切です。一時的な効果であり、個人差もあるかもしれませんが、鍼灸やマッサージも症状を和らげることがあります。
病気と向き合いながらも、自分らしい生き方を見つけることができれば、パーキンソン病に負けることはありません。
食生活について
パーキンソン病は中枢神経系の疾患で、主に運動症状が現れます。この病気に悩む人たちの日常生活を改善するために、さまざまな方法が模索されています。
一部の患者さんの中には、サプリメントを利用して病気の進行を遅らせたり、症状を緩和することを試みている人もいます。しかし、「八升豆」や「むくな豆」など、ある種のサプリメントには、ジスキネジアと呼ばれる運動障害を引き起こす可能性があるため、服用は避ける方が望ましいと言えるでしょう。
一般的には、アルコールは中枢神経系に影響を与えるため、パーキンソン病の症状を悪化させる可能性があります。しかし、少量であれば、問題とならないため、休肝日を作りながら楽しんでください。
また、食生活についても注意が必要です。特定の食品が症状を悪化させることはありませんが、バランスのとれた食事を心がけ、野菜や果物を中心に摂取することが望ましいです。それ以外には、普段通りの生活習慣を維持することが大切です。
身体能力の維持
パーキンソン病を患っている人たちの平均寿命は、一般人口とほぼ同じくらいです。しかし、病気が進行すると身体活動が不自由になり、困難を抱えることがあります。長寿であっても、身体能力が低下していると生活の質が悪化してしまいます。そのため、「身体の能力」と「認知・精神の能力」を保つことが大切です。
身体能力を維持するためには、運動が必要です。内服薬だけに頼ることは避け、適度な運動を取り入れることで、バランス感覚を養い、筋肉を強化し、関節の柔軟性を保ち、寝たきりを防止することができます。
また、病気が進行すると、認知機能や精神面にも影響が出ることがあります。そのため、身体能力とともに、認知機能と精神の健康も保つことが重要です。
総合的なアプローチを取ることで、パーキンソン病による生活の制限を減らし、より快適な生活を送ることができます。
認知・精神機能の維持
パーキンソン病を患っている人たちは、認知機能や精神面の健康を保つことが大切です。活動的な生活を送ることが、認知・精神の機能を維持するためには非常に重要です。
ただし、パーキンソン病のことを悩んで、もやもやとした気持ちになってしまうと、逆に病気の症状を悪化させることにつながります。自分がなぜこの病気にかかってしまったのか、ぐるぐると考え込んでも病気は治りません。気持ちを切り替えて、できることに集中し、楽しむことが大切です。
新しい趣味に取り組む、旅行に出かけるなど、楽しいことを見つけることで、気分転換ができます。また、治療効果があるとされる、リハビリテーションや運動、ストレッチなども積極的に取り入れることが望ましいです。
病気に負けず、自分の生活を楽しみ、充実させることで、認知機能や精神面の健康を保ち、パーキンソン病と上手に向き合っていくことができます。
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