新型コロナウイルス感染症と風邪・インフルエンザ・花粉症との症状の違い
発熱等の風邪症状が出ると、新型コロナウイルス感染症かも?と思うかもしれません。
この記事では、まず新型コロナウイルス感染症と類似の症状を呈するその他の疾患との鑑別方法を見ていきましょう。
その症状は、新型コロナ?風邪?インフルエンザ?それとも花粉症?
新型コロナウイルス感染症と風邪、インフルエンザ、花粉症は多くの共通の症状を引き起こすことが知られています。
この記事では、新型コロナウイルス感染症と各疾患との症状の違いについて詳しくみていきましょう。
新型コロナウイルス感染症の特徴
新型コロナウイルス感染症は、会話、咳・くしゃみなどによるウイルスを含んだ飛沫や飛沫よりも小さいエアロゾルと呼ばれる粒子を吸い込むことにより感染します。
ウイルスに暴露してから発症するまでの潜伏期間が比較的長いこと(5-14日程度)が特徴です。
主な症状としては、発熱、呼吸器症状、倦怠感、頭痛、消化器症状、鼻汁、味覚異常、嗅覚異常、関節痛、筋肉痛などがあります。
新型コロナウイルス感染症と風邪、インフルエンザ、季節性アレルギー(花粉症)との症状比較
下記の表では新型コロナウイルス感染症と風邪、インフルエンザ、季節性アレルギーで現れる症状を比較しています。2)
症 状 | 新型コロナ ウイルス 感染症 |
風 邪 | インフル エンザ |
季節性 アレルギー (花粉症) |
---|---|---|---|---|
咳 | よくある | よくある | よくある | 時々 |
筋肉痛 | よくある | 時々 | よくある | ない |
疲労感 | よくある | 時々 | よくある | 時々 |
くしゃみ | まれ | 時々 | よくある | よくある |
喉の痛み | よくある | よくある | よくある | まれ |
鼻水・鼻づまり | よくある | よくある | よくある | よくある |
発熱 | よくある | 時々 | よくある (いつもではない) | ない |
下痢 | 時々 | ない | 時々 (子供で多い) | ない |
吐き気 | 時々 | ない | 時々 (子供で多い) | ない |
味覚・嗅覚障害 | よくある | 時々 | まれ | 時々 |
新型コロナウイルス感染症と風邪との症状の違い
新型コロナ感染症と風邪はともにウイルスによって引き起こされますが、原因となるウイルスが異なります。症状についても重なる部分が多いですが、一部の症状は異なります。
新型コロナ感染症では風邪と比べて、味覚・嗅覚異常や下痢や吐き気などの消化器症状が現れやすい一方で、鼻水や鼻づまりは少ない傾向にあります。
また新型コロナ感染症の方が風邪と比べて一般的に症状の潜伏期間が長いと言われています。
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの症状の違い
インフルエンザも新型コロナウイルス感染症と同様にウイルスによって引き起こされます。新型コロナウイルスはSARS-CoV-2に引き起こされ、インフルエンザはインフルエンザAウイルスまたはインフルエンザBウイルスによって引き起こされます。
臨床症状からの鑑別は非常に難しいと言われており、最終的には検査で鑑別診断を行うことが一般的ですがいくつか異なる点もあります。
まずインフルエンザは感染後1,2日で発症することが多いのに対し、新型コロナウイルス感染症では症状の開始まで5−14日かかると言われています。
症状の違いとしては、インフルエンザと比べ、新型コロナウイルスでは味覚障害・嗅覚障害が起こりやすいことが挙げられます。
新型コロナウイルス感染症と花粉症の症状の違い
花粉症はウイルスによる感染症ではなく、免疫反応を引き起こすアレルゲン(花粉など)によって引き起こされます。
新型コロナウイルス感染症では鼻水や鼻づまりは少ない傾向にありますが、花粉症ではよく起こる症状となります。さらに鼻や眼、口、耳のかゆみが新型コロナウイルス感染症で起こることはほとんどありませんが、花粉症ではよくある症状となります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症は他の疾患と類似の症状を有することが多いですが、一部の症状は異なることがお分かりいただけたかと思います。
他方、ご自身で新型コロナウイルスに感染したかどうかの判断をすることは非常に難しいと思いますので、発熱など体に変化を感じることがあればかかりつけ医や保健所等に連絡することが重要です。
次の記事では、名古屋市における新型コロナウイルス感染症を疑われる場合の対応と相談の流れをご説明します。