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高血圧改善!毎日5分の運動で健康に

[2024.11.29]

高血圧は、放置すると脳卒中や心筋梗塞のリスクが大幅に高まる恐ろしい病気です。自覚症状がないことも多く、気づかないうちに進行している場合も。しかし、ご安心ください。最新の研究では※¹、たった5分の運動でも、高血圧改善に効果があることが明らかになりました。今日からできることを行ってみましょう。

高血圧の具体的な症状

高血圧は、自覚症状がないことが多いですが、以下のような症状が現れることがあります。

頭痛、めまい、動悸、鼻血、視力低下

 

放置によるリスク

高血圧を放置すると、以下の深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

脳卒中、心筋梗塞、腎不全、大動脈解離、末梢動脈硬化

これらの合併症は、命に関わるだけでなく、QOL(生活の質)を大きく低下させます。自覚症状の有無にかかわらず一度ご自身の健康を確認してみましょう。

 

なぜ、運動が血圧を下げるのか?

運動は血管を柔軟にし、心臓の働きを活発にすることで、血圧を下げる効果があります。具体的には、下記点が挙げられます。

  • 血管の柔軟性向上
     運動することで、血管が柔軟になり、血圧の上昇を抑えます。
  • 交感神経の抑制
     運動は、交感神経の活動を抑制します。交感神経は血圧を上げる働きもあるため、抑制することで血圧低下につながります。
  • 心臓の効率化
     定期的な運動は、心臓の筋肉を鍛えます。心臓は少ない拍動回数でより多くの血液を送り出すことができ、血圧が安定します。

毎日5分の運動で高血圧改善にどの程度の効果が?

最近の研究で、日常生活に取り入れる運動習慣がどの程度血圧に影響を与えるかが調査されました。具体的には、以下のような点が検討されました。

  1. 毎日5分の運動の影響
     毎日5分間の簡単な運動を追加することによる血圧の変化を評価しました。その結果、上の血圧(シストリック血圧/SBP)は平均で0.68mmHg、下の血圧(ディアストリック血圧/DBP)は平均で0.54mmHg低下するという結果でした。

  2. 運動時間の再配分の効果
    研究では、運動時間を他の行動(座っている時間、立っている時間、遅い歩行、速い歩行)と置き換えた場合の血圧への影響も分析しました。これにより、運動時間を増やすことで、どれだけ血圧が低下するかの推定が行われました。

  3. 最小および臨床的に意味のある運動量
    臨床的に意味のある改善(上の血圧で2mmHg、下の血圧で1mmHgの改善)を達成するために必要な運動の時間が試算されました。具体的には、運動を20分から27分行うことで、上の血圧において2mmHgの改善が見込まれ、10分から15分行うことで下の血圧において1mmHgの改善が見込まれることが示されました。

最新の研究で分かったこと

今までの研究で、下の血圧が2mmHg低下することで心臓病や脳卒中のリスクが約7%低下することが分かっています。下の血圧血圧を平均2mmHg改善するためには、20〜27分の運動様活動が必要とも報告されています。したがって、しっかりとした運動習慣が必要と思われていました。

今回の結果では、毎日たった5分程度の運動(例:ランニングやサイクリングなど)を日常に追加することでも、血圧に有意な影響を与え得ることを示しています。

 

5分でできる簡単運動

毎日5分の運動を続けることが大事です。毎日の生活で置き換えられそうなことを続けてみましょう。

  • ウォーキング
     自宅やオフィス周辺を元気よく歩く。たとえば、昼休みや仕事終わりにブロック一周を速足で歩く。
  • ランニング
     通勤時や買い物の往復中に、数ブロックをジョギングする。例えば、バス停までの道のりを走ってみる。
  • 階段利用
     エレベーターやエスカレーターを避け、オフィスや自宅の階段を利用する。階段を上り下りするだけで、効果的な心肺運動になります。
  • 短いストレッチや体操
     デスクワーク中に、5分間立って軽いストレッチやスクワットを行う。
  • 家事活動 
     掃除機をかける、庭仕事をする。これらの活動も中強度の体力を要するため、良い運動になります。

これらの活動は日常の中で簡単に取り入れることができ、健康維持に役立ちます。毎日のルーチンにこれらを組み込むことで、体力向上とともに、心血管健康の向上が期待できます。

 

まとめ

高血圧の改善に運動が有効であることは、多くの研究で証明されています。寒い季節,運動がおっくうになりがちですよね?でもご安心ください。たった5分の運動でも高血圧の方には効果があります。毎日少しずつでも良いので、運動を習慣にして、健康な生活を目指しましょう。

参考文献 ※¹ Circulation. 2024;150:00–00. DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.124.069820


メイトウホスピタル 循環器内科 加藤公彦
(毎週火曜日・水曜日外来担当)

前回の記事では、高血圧管理アプリおすすめ5選を紹介しています。次回の記事では高血圧管理アプリおすすめ5選!~食事管理編~をお届けします。ご自身の健康管理をできるところから始めていきましょう。

 

 

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